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風のむくまま      気の向くまま      そこはかとなく     書きつづりませう

by pen-p

やぶらこうじのぶらこうじ

植物の名前には、両がつくものがいくつかあります。

十両 ヤブコウジ 【マンリョウ属 ヤブコウジ科】
百両 カラタチバナ【マンリョウ属 ヤブコウジ科】
千両 センリョウ 【センリョウ属 センリョウ科】
万両 マンリョウ 【マンリョウ属 ヤブコウジ科】
          『原色牧野日本植物図鑑』北隆館 参考
などがそれです。
どれもが赤い実を付けます。
一番知られているのは、千両でしょうか?
お正月といえば、生け花セットに必ずついている緑の葉の赤い実のあれです。


ところで、なぜ突然こんな話をしているかというと、
落語の「じゅげむ」に出てくる、「やぶらこうじ」というのは何の木か?と
「にほんごであそぼ ファンサイト」の掲示板で見つけたからなんです。

そこにも同じような内容で書き込んだのですが、

「やぶらこうじのぶらこうじ」の「やぶらこうじ」は

「ヤブコウジ」の間に調子をとるために「ら」が入ったのでしょうか?
「籔裏の柑子(こうじ)」で「ヤブコウジ」なのでしょうか?

私にはどちらなのか分からないんです。
でも、この「やぶらこうじ」の解釈のしかたで、該当の植物名は変わってくると思うんです。あくまでも推測ですが・・・。

「ヤブコウジ」なら十両をおそらくさしています。
百両の「カラタチバナ」には「タチバナ」や「コウジ」という別名がありますので、「籔裏のコウジ」なら百両をさしていると思います。

一般的には「ヤブコウジ」が「やぶらこうじ」だということになっているようなのですが、なんとなく、百両の「やぶうらのコウジ」も捨てがたい気がします。

皆さんはどちらだと思いますか?


ちなみに、赤い実をつけるどちらの植物もおめでたいとされているので、
「じゅげむ」のめでたい名前という趣旨からは反しないのですけれどね。
そういえば、赤い実を付ける「万年青」も「南天」もおめでたい時の植物ですね。
by pen-p | 2007-10-18 23:15 | にほんご | Comments(2)
Commented by ぐみぐみ at 2007-10-19 22:17 x
ぶらこうじは。
Commented by ぐみ at 2007-10-20 08:49 x
もう少し調べてみましたら、
「やぶらこうじのぶらこうじ」というのは、
「やぶらこうじのやぶこうじ」という場合もあるそうです。
このばあい、ぶらこうじが籔柑子ということになり、
やぶらこうじが籔裏の小路という解釈になりますね。
「籔裏小路の籔柑子」ですね。

ただ、先にも書きましたが、どちらも春若芽をふき、夏には葉が繁り、秋に色づき、冬には霜や雪にも耐えるので、おめでたい名前をという意図からはどちらの木もはずれないとは思います。