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風のむくまま      気の向くまま      そこはかとなく     書きつづりませう

by pen-p

間 と 室 の 空間

ある日のこと、
おとうとくんが寝る直前に聞きました。

「おかあちゃん、今いる部屋って寝間やなぁ。」

(何とも変わった質問をするなぁ)と思いつつ

「うん。そうやで。寝間やで。」と答えました。

すると

「寝間ってうちだけの言葉?」とまた変わったことを聞きます。

「え?? 普通に使うと思うけど・・・」と答えると

「学校で、「ねま」って言葉はおとうとくんちの言葉やって言われたから・・・」と言います。

「え? そんなことないやろ。 寝間と違ったら何?」と聞くと

「寝室。」


なるほどな!とそこで気づいた私。
以下気づいたことをまとめてみました。





1「間」の空間
  「間」の付く部屋には
  「寝間」のほか
  「居間」「土間」「仏間」「客間」「洋間」などがあります。


2「室」の空間
  「室」の付く部屋には
  「寝室」のほか
  「客室」「浴室」「和室」「茶室」「会議室」などがあります。
 

3「間」と「室」
  「間」とは・・・建物の柱と柱の間のこと。(『古語辞典』小学館)
          柱と柱のあいだに自由に開閉の出来る
          襖や障子で仕切られた空間であり、
         「間」の空間は俗にいう和の建築様式により多く
          生じる空間であると思います

 「室」とは・・・「むろ」と読んだ場合、
          四方を囲い閉じた部屋。
          壁を塗りこめて作った家や部屋(『古語辞典』小学館)
          襖や障子のように自由に取り外したりできず、
          しっかり壁で囲われた空間で、
          現在は洋の建築様式により多く生じる空間だと思います。



実際、ウチの「寝間」とよんでいる部屋は、和式の部屋で、
襖と障子と畳の部屋です。
ちなみに、部屋のほとんどがウチの家では和式の部屋です。
仏間も床の間も寝間も居間もあります。
さすがに土間はありませんけれどね(笑)

今、襖と障子と土壁のもともとの和式の建築様式の家は、
本当に少なくなってきています。
実際、新築の家の多くは、フローリング中心の洋式の家です。
当然、「間」の空間でなく「室」の空間です。

その生活様式の変遷の中で、
「間」の空間がだんだん減っていき、
「間」の空間の部屋がどんどん減っていっているのでしょう。
「土間」も「仏間」も新築の家でそれらを持っているのは、
敢えて作ることを希望しなければなくなっています。


間違いなく、「寝間」はウチだけの言葉なんかじゃありません。
普通に日本語の中で息づいていた言葉でした
しかし、生活様式の変化に伴い、
建築様式が変わり、
徐々に日本語から消えつつある言葉となってしまったのでしょう。
そして、「間」の空間は、
徐々に消えつつある文化なんだと感じました。         
by pen-p | 2011-09-05 23:58 | にほんご | Comments(0)