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風のむくまま      気の向くまま      そこはかとなく     書きつづりませう

by pen-p

桜にしみいるセミの声

 いよいよ本格的にうちの裏の桜の木にもセミがやってきて、ミンミンと鳴き始めました。この季節にこの声を聞くとどうしても弟くんの一言が思い出されてなりません。

 彼がまだトイレトレーニングをしていた頃のことです。暑いさなかにもかかわらず、一緒にトイレに入って、彼の用足しが済むのを待っていました。外ではセミがミンミンと鳴いていました。
「おかあちゃん。セミ鳴いてんなぁ。」
「うん。せやな。」
(といいつつ、はよ終わってぇ!暑くってもうアカン!!と叫んでいました。)
「セミ鳴いてんなぁ」と繰り返し言うので、
「セミってどんねん鳴いてる?」と尋ねると。

「うーんち うーんち うーんち う゛ーんちっ」と満面の笑みで答えてくれました。

「・・・聞いた私が馬鹿だった。」と思いつつ、
外で鳴くセミの声をもう一度聞くと、
彼の言うセミの声があまりにインパクトが強くて、
「みーん みーん みーん みーぃん」と聞こえないのです。

 子どもの耳は先入観なしなので、セミ=ミンミンという大人なら当たり前のように聞いていた音も、全く別のモノに聞こえたりするのでしょう。そして、大人達は、子どもの思いがけない一言で、常識だと思っているものを覆されてしまったりするのでしょうね。

 しかし、それ以来、ミンミンゼミの鳴き声はどうしても、彼が言ったセミの声が先に頭に浮かんでしまうようになってしまったのでした。(笑)
by pen-p | 2005-07-17 16:39 | 季節・こよみ | Comments(0)